ブラ校を観て思い出した話。
映画「ブラック校則」が公開された初日、ふわっとした知識のまま観に行きました。予想してたストーリー展開とは全く違っていて、まぁゆうても結局キラキラ学園ものかな?なんて思ってた自分このやろう。
1回目観終わってそのままもう1回観ようかと思ったくらい私には刺さりました。(結局3日連続で計3回観ました。)
そんな映画「ブラック校則」東くんのシーンを観て、ふと同級生だったワタルくんのことを思い出したので、頭の中のメモをここに書きます。
※若干のブラ校ネタバレを含む可能性がありますのでご注意ください。
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小学3年生の頃、同じクラスだったワタルくん。肌が白くて、ちょっとおっとりしてて、優しくて、笑うとかわいい。音読の授業は少し苦手。
記憶の中のワタルくんはこんな感じ。
国語の時間。ひとりひとり順番に音読する授業。
次の番はワタルくん。
ワタルくんは教科書を見つめながら口を動かすけど、なかなか声が出てこない。眉間にシワを寄せて、教科書もギュって強く握ってて、耳や顔が赤くなってるのが遠くの席からでも見えた。ゆっくり一文字一文字、声を絞り出すように読むワタルくん。
最後までちゃんと読める日もあれば、途中で首を横に振る日もあった。そういうときは、続きから次の子が音読していた。
担任の先生は、どんなに時間がかかってもワタルくんが読もうとする姿勢の時は優しい顔で待ってたし、最後まで読めなくても一度だって怒ったりしなかった。急かしたり、バカにして笑ったりするクラスメイトも誰一人いなかった。授業が終わって休み時間になれば、みんなで一緒にお喋りもしたし、校庭でサッカーして遊んだりもした。
ワタルくんは音読が苦手。
肌が白くて、ちょっとおっとりしてて、優しくて、笑うとかわいい。
特別気を使っていたつもりもないし、誰かに何かを言われたこともない。ただ本当に他の子となんら変わらない普通の友達だった。
恥ずかしい話「吃音症」という言葉自体も、このあと随分大きくなるまで私は知らなかった。
正直、自分が経験した記憶がこんなんだからか、今まで吃音に関しての記事やSNS、テレビ番組で言われていた「吃音が原因でいじめられている」という内容はどこか遠い国の様子を見ているような、そんな非現実さを感じてた。
(本当に悩んでいて、気を悪くさせてしまっていたらすみません。)
けれど、ブラック校則を何度か観に行って感じたこと。気付いたこと。
東くんが話すシーン。映画の中からじゃなく席に座ってる一部の観客側からくすくすと笑い声が聞こえるのに気付いて、「あ、こうやって笑う人が現実にいるんだ」って。
多分初見の人だったんだと思う。でも全然笑うようなシーンじゃなかった。映画の中で東くんが話し、それをクラスメイトが茶化して笑うように、同じタイミングで笑う人がいて、それにすごく驚いたし、笑う感情が理解できなくて怖かった。
遠い国の様子だと思ってたけど、すぐ近くに、本当に身近にあることなんだなって初めて感じた。
小学校4年生に上がるタイミングで自分が引っ越しをしてしまったので、ワタルくんが今どこで何をしてるのか全くわからないけれど、楽しい人生を過ごしてたらいいな、なんてぼんやり考えてしまった。